’00 夏休みツーリングレポート
団長、北の大地に立つ!!
第3日目 8月14日
さわやかな目覚めである。
まわりの子供の甲高い声で起こされる。子供は元気だ!早朝からブーメランを投げている。こっちに飛んできて当たることを期待する。
みごと命中していれば次の瞬間、子供の足にロープをかけて愛しきブレードで挽き吊りまわしていることだろう。
周りのテントでは昨晩に引き続きダイナミックに朝食が作られている。
私の朝食はコーヒーとサンドイッチである。初めてストーブを使った瞬間である。
なかなか旨いモーニングセットだった。さっさと荷物をまとめることにした。
今日は家族で遊びに来ている会社の上司と富良野で会う約束がある。
一路洞爺湖を目指す。
災害の影響で通行止めの区間がある。西側からアクセスすることにした。
さて、ここで念願のホクレンに入った。
ホクレンって何?教えてあげましょう!!
北海道にあるガソリンスタンドで夏のライダーと一緒に安全キャンペーンを行っています。スタンドで安全宣言に署名すると、あこがれの小旗をくれます。今年は道内共通で黄色い旗です。
旗を荷物の左側に差して軽い山道を登る。レイク・ヒル・ファームの看板が見えて右折すると洞爺湖に出る。
その前にこのファームで休憩することにした。ここは手作りアイスで有名なスポットだ。
食べない訳にはいかないね。早速バニラと赤ワインのジェラートをいただく。
▲ 手作りアイスクリームの店
バニラはバニラビーンズも栽培されているようでアイスの中に黒いつぶつぶが見える。赤ワインの方は大人な甘さでさわやかな香りがした。
芝生の匂いが大変心地よい場所である。
洞爺湖に出て逆時計回りに東側に向かった。有珠山は未だ噴煙をあげていた。
次に支笏湖に向けて走り出す。
途中世界最大のログハウスのある道の駅で一休み。一億円のトイレでも有名な場所で記念に足跡を残した。ここはキノコの里としても有名でキノコ汁一杯100円にもチャレンジした。これまた旨かった。
▲ 迫力の噴煙 ▲ 洞爺湖をバックに
しばらくR274をひた走る。
日高まで来てもう午後2時である。富良野まではあと少し、それにしてもお腹が空いた。占冠でラーメンを食べた。店の雰囲気は最悪だったがなかなかの味だった。
▲ 道の駅「樹海ロード日高」
富良野に突入した。ヘルメットの中であのテーマソングが流れ、口が尖ってきた。
他人に見られては恥ずかしい顔をしているに違いない。
待ち合わせの「かんのファーム」に到着。上司はすでに着いていた。
▲ ラベンダーと私
牛乳を飲みながらしばしの雑談である。ここで娘さんにホクレンの旗をプレゼントした。心のこもったプレゼント、ライダーにとって大切な旗をプレゼント。しかし理解されることはないだろう。
と、うかうかしている間に夕闇が近づいていた。
この時間からキャンプ場を探してテントを張るには時間が足りない。
今晩はライダーハウスなるものに宿泊することにした。
上司家族を見送りまた一人の時間がやってきた。
ガイドブックをみると近くに美馬放夢というライダーハウスがある。
▲ ライダーハウス「美馬放夢」 ▲ ここには5つの物語があります
これも初めての経験となる。駅の東側にあって看板に従って行くと数台のバイクが置いてあるのが見える。
遠慮がちにバイクを停める。ヘルメットを脱いでニッコリとスマイルで「こんにちは!」すると周りにいた人もこちらに向かって「こんにちは!」これが私とライダーハウスの出会いである。
私のイメージではこれがライダーハウスなのだが合っているどうかはわからない。
オーナー代理の方に、「初めてですか?」と聞かれたので素直に「初めてなんです」と答える。システムの説明を受けて早速シュラフで自分の陣地を確保する。
今晩は共同自炊でジンギスカンがあるらしい。それはなんだろう??
外のたき火の周りに人が集まってくる。新しいライダーもぞくぞく押し寄せてくる。
しかし笑顔で「こんにちは〜!!」は誰もいない。私のイメージは間違っていたのだろうか・・・
6時を過ぎてオーナー代理の方が「共同自炊に参加する人??」とみんなに問いかけた。ドワドワとみんなが手を挙げる。次に「買い出しに行ってくれる人??」と問いかけた。4人が手を挙げた。あれ?私も手を挙げている。北海道とは恐るべし島である。魂を解放するのであろう。
30人分ということで総予算9000円である。一人300円には驚いた。これはライダーハウスの主が決めた。
肉と野菜、焼きそばを買って9000円を少しオーバーして一人340円だった。
宿に戻ると用意が進んでいた。薪で火を起こして鉄板をのせる。
そこからはサバイバルである。野菜・肉とぶち込まれ焼けるとお椀に一杯の配給である。全9回戦行われお椀に四杯食べた。今夜もやはり食事の共はエビスである。
楽しい食事だった。
その後はたき火の周りで雑談を交わし、陣地に戻って眠りについた。本日の走行距離 374km