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’00 夏休みツーリングレポート

団長、北の大地に立つ!!


第5日目 8月16日

 相変わらずすてきな目覚めである。
最近5時半くらいに必ず目が覚める。
フロントでチェックアウトを済ましてまずはノシャップ岬を目指す。
行ってみたい所があるのだ。
軽く流して岬に到着。岬ではテントを張っている人もいる。トイレもあるのでこんなのもありであろう。

▲ ノシャップ岬にて
ここは是非夕日を見たい場所だったが昨日はあいにくの曇天だったので見ることが出来なかった。

さぁ、ここに来た目的はツーリングマップルに載っている食堂「樺太」である。
無敵のウニ丼とやらと勝負であります。
店の前にバイクを止めると中からババァが出てきた。
「あ〜そこで良いから早く中に入りなさい。」と言われて店の中に入った。
客は誰もいない。
イスがひとつ不自然に引いてある。
「あ〜ここがちょうど空いてるからここに座りなさい。」と言われてそこに座った。
店内をキョロキョロすると壁天井にライダーのメッセージらしきものが隙間無く貼られている。その中にメニューがでかく貼られている。

なになに・・・3色丼1500円、イカ刺丼1500円と続く。
え!!生ウニ丼3000円也である。その隣には生ウニ2倍丼4000円也である。
ババァが速攻でしゃべりだす。
「今日のおすすめは生ウニ丼。サービスでホタテとイクラとカニをサービスしてあげるわ。ライダーは、み〜んなこれを食べるのよ。」
私はメニューのイカ刺丼のあたりを見た。
すると間髪入れずに「生ウニ丼にしなさい!!今日のおすすめなんだから!!」
声のトーンが上がってきた。
ババァはしつこい。注文するまでライダーはこれを食べにここまで来るだとか独りでしゃべりまくっている。
「生ウニ丼お願いします。」地の物との勝負である。

外でバイクの音がした。次のライダーが来たのであろう。
ババァは私の向かい側のイスを引いて外に出ていった。
外から大きな声が聞こえる。「あ〜そこで良いから早く中に入りなさい。」さっき私が言われたのと同じである。
ライダーが店内に入ってきた。
ババァは言った。「あ〜ここがちょうど空いてるからここに座りなさい。」
笑った。このババァなかなかの強者である。

さらにババァは続けた。
「今日のおすすめは生ウニ丼。サービスでホタテとイクラとカニをサービスしてあげるわ。ライダーは、み〜んなこれを食べるのよ。」
「こっちのおにいさんも今注文したのよ」と言って私の方を指さしている。
このライダーはあっさりと生ウニ丼を注文した。

▲ 無敵の生うに丼

▲ 是非一度は行きたい店である

 生ウニ丼が目の前に現れた。ほっほ〜想像していたよりウニが少ない。
ウニから食べてみる。旨い。朝飯にしては少々カロリー高めである。次にホタテを食べる。シコシコした歯ごたえがあり旨い。イクラは醤油付けになっているらしい。これもまぁまぁだ。カニはハズレである。パサパサでダメだ。

ババァが動いた。ダンボールの中をごそごそいじっている。
ババァが近づきステッカーとバンダナと名刺をくれた。
ステッカーには”無敵の生ウニ丼”と書かれている。
生ウニよりもババァの方が無敵である。

 外でバイクの音がした。
今度は私の隣のイスを引いてババァは外に出ていった。
この後は同じである。
しかし今回のライダーは悩んでいた。
「生ウニ丼の中盛りとか小盛りはあるんですか?」ババァに聞いた。
ババァはスマイルでこう答えた。
「ええ、ライダーさんに合わせて中盛りでも小盛りでも出来ますよ。」
「そうですか・・・」ライダーが答えて注文する瞬間に付け加えた。
「でも値段は同じよ。」
無敵である。
ライダーは中盛りを注文した。負けである。
店内ライダー3名の飯をかきこむ音だけが悲しく響く。

女性の店員がカキ氷を入れる白いスチロールカップにメダルを3枚入れて運んできた。
店内にパチスロが2台あり、7が揃うとウニ丼が無料と書いてある。
私の次に来たライダーが先に食べ終わりスロットにチャレンジした。
予想通りのハズレでババァが笑っている。「ダメだったかい?(笑)」
ライダーは肩を落として3千円払って出ていった。
私もやっと食べ終わった。飯の量が多すぎる。最初のころのウニの旨さはこの満腹感によってかき消された。

さて私がスロットにチャレンジする番である。
目押しで7を狙う。するとチェリーが揃った。もう一回チャレンジだ。
狙ってみたが残念ながらハズレた。
ババァ「ダメだったかい?もう一杯食べればもう一回出来るよ(笑)」
無敵である。
負けた証に3千円を払って店を出た。
この夏何人のライダーが負けるのであろうか・・・

 気分を変えて走りだす。今回の旅の目的でもある宗谷岬に向かう。
海沿いの道を走る。涼しく快適だ。
標識の宗谷岬までの距離が凄い勢いで減ってくる。
もう到着、ここが最北端宗谷岬なのだ。感想は2年前の青森大間岬の時と同じだった。
「へぇ・・・」これで終わりだ。
ライダーは○○端が大好きである。私も例外ではない。
記念撮影を何枚か撮った。

▲ 最北端到達!

▲ 記念に

▲ バイクも一緒に

▲ 順番待ちの行列です

▲ ここにも音頭が・・・

自分の中から何かが抜けて行った。目的は達成されてしまって旅の終わりを感じてしまった。
 東の海沿いを走って南に向かう。
この国道は軽いアップダウンを繰り返す。丘の上から見下ろす1本のアスファルトは海岸線に同調して延びている。

▲ 道は続く・・・

▲ 景色の奥行を感じます

刺激が慢性化してきて、高速巡航にも飽きてきた。
クッチャロ湖の案内板が見えたので立ち寄ることにした。ここは夕日の鑑賞スポットのようだ。キャンプ場が併設されていて夕方はさぞすてきなのであろう。
記念に写真を1枚撮って湖をあとにした。

▲ クッチャロ湖にて

ひたすら走る、走る、走る。だんだん気温も高くなってきた。
途中道の駅マリーンアイランド岡島に立ち寄った。
トイレ休憩のつもりだったが香ばしい匂いがする。
磯焼きテントの方からなので覗いてみた。つぶ貝やイカやタコを焼いて売っている。
つぶ貝の値段を聞くと250円と言われ食べることにした。1個250円だと思ったら2個で250円だった。
「いただきま〜す」くるくる回して綺麗に出てきた。パクッ・・・
旨い!!地の物に勝った!!これはおすすめの1品だった。
さらに試験販売のエビも100円で食べた。これは普通だった。

▲ 産地直売

▲ 焼きつぶ貝

 レンサルさんと電話連絡を取って今晩のキャンプ場の確認をする。secureのメンバーとの最初の合流である。

地図を見てルートを考える。到着予定時刻を4時にしてルートはすぐに決まった。
海岸線を離れて山に入る。途中鹿牧場や氷のトンネルなどの観光スポットがあったが牧場は廃墟でトンネルは融けて無くなっていた。

暑くなってきて、フラフラしてきたので道の駅で休憩した。
ここでは芝桜ソフトを食べた。芝桜を知らないので味に対するコメントが難しい。
色はピンクで食感は冷たいバタークリームのようである。
つまり、いまいちである。

再びワインディングに戻る。途中コーナリング中にシフトダウンしてしまい、怖い思いをした。
 歴史的瞬間がやってきました。しかもこの北海道で・・・
スピードメーターの距離計が39999kmを表示してゆっくりとスクロールして40000km表示になった。
ブレード君とのつき合いが始まってもうすぐ3年、この相棒は私をいろいろな所に連れていってくれた。

▲ もう少し・・・

▲ おめでとう!

バイクに乗りたいと思ったきっかけは中学生の時の北海道旅行でバイクを見たときだった。
まだまだ現役で、これからもスリルとサスペンス、感動と感激を共有することを誓った。

 4時前、当麻のキャンプ場に到着した。
芝生の斜面に荷物を運んでいる見慣れたおじさんがいる。
まだこちらに気づいていないようである。私も斜面を登って行くとやっと気づいたようである。
「団長〜ひさしぶり!!」レンサルじじいである。
二人ともテントの設営を始め、ほぼ同時に設営が終わった。
レンサルじじいのテントは大きく、しかもタープまで張ってある。
本人曰く「レンサルの館」である。
タープがうらやましかった・・・

▲ レンサルの館

 夕食は旭川のラーメン村に行って済ませた。8件のラーメン屋が集まっていて混んでる店とそうでない店にハッキリと分かれていた。
私達は「天金」という店で味噌野菜チャーシューを食べた。
こんなもんだろう。これが素直な感想である。誰もいない店にチャレンジした方が面白かったかもしれない。

 キャンプ場に帰って併設されている温泉に入った。ここは長万部で入った二股ラジウムの湯の華を使った温泉で、実際の温泉に入った私としてはちょっと気分が良かった。
やはりあの温泉は秘湯の名湯なのだ。

湯上がりの一杯、それはエビスであります。
レンサルじじい持参のクーラーボックスでキンキンに冷えたビールは1日の疲れを取ってくれる薬である。

▲ 館内にて

レンサルじじいは枝豆を、私はトウモロコシを茹で始めた。
クーラーボックスからは次のワインが登場した。
会話は途切れることなく続き、夜が更けていった。

本日の走行距離 382km


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