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’00 夏休みツーリングレポート

団長、北の大地に立つ!!


第7日目 8月18日

 早朝4時半、自然に目が覚めた。北海道に来てから毎朝早く目が覚める。
東京でも覚めてしまうのだろうか・・・
今日は本州に戻る日である。し〜ずかに、し〜ずかに荷物をまとめるが、結構音が出るものだ。
バーン!緊急事態発生である。部屋の中で爆発音がこだました。
すぐに爆発物の確認は出来た。「これはまずい!待避!待避!」毒ガスが噴出したようだ。息を止め、荷物を持って部屋の外に飛び出した。中に残っている人達は死んでしまったであろう(笑)。神に祈りを捧て部屋をあとにした。

外に出て荷物を積んでいるとジャイさんの両親と武人さんが出てきた。(生存者がいたとは・・・)
時間は6時少し前、空気を冷たく気が引き締まる。こんな早朝から見送り付きとはとてもうれしい。

 相棒は私を背中に乗せ、ゆっくりと走り出した。
旭川の町を抜け、国道をひたすら走る。少しずつトラックの数が増えて、走り辛くなってきた。なんだか霧が出てきて前がほとんど見えない。

▲ 奈井江砂川インター

 奈井江砂川インターから乗って札幌方面に向かう。
北海道の高速道路はまさに高速道路である。合流ラインから走行車線に移ると追い越し車線をスカイラインが爆走していった。

キラキラ!反射的に右手が動いた。●80kmで後ろの荷物が心配になったがここで右手を緩める訳にはいかない。
今の私はルアーを追いかけるブラックバスなのである。
スカイラインはさらにスピードをあげて●00kmで爆走している。
荷物が振動してきたが、もう少しいけそうである。ブラックバスから弾丸になりつつある。
スピードが落ち着き巡航に入った。巡航速度?ご想像にお任せします。

ツートンカラーのペースカーが見えてきてゲームは終わった。スカイランもすっかりおとなしく走り始めた。ジリジリとパンダに近づき、追い越した。更にもう一台追い越してからスイッチオン!パンダは小さくなってハエになった。

 時間が気になりだしてきて、昨日のことを思い出す。こんなに高速で移動してきたが、また今日もメロスにならなくてはいけないようである。
「走れメロス!メロスよ走るのだ!!」心の中で呟く。

札幌を越えると交通量がグッと増えてきた。黄色い旗を荷物に付けたライダーが数台苫小牧で降りた。うらやましかった。私はまだ半分以上残っている。

トラブル発生、千歳を越えたあたりからガソリンスタンドがないのである。樽前SAによってこの先のスタンドと状況を調べた。
あ〜次にスタンドまでたどりつけそうにない。
高速を一度降りて給油することにした。
白老ICから約10kmほどでピットイン&クイックチャージ。
登別東ICから再びコースインした。

ロスタイム分を稼ぐためにハイペースで巡航する。
ガソリンの心配をせずにアクセル全開は気持ちが良いものである。
災害通行止めの為に洞爺湖の前後が封鎖されていて、また一般道を走る。
一般道は結構交通量があって走りにくい。時間も刻一刻と迫ってくる。
洞爺湖を越えた臨時インターから再々コースインした。あとは長万部めざしてフルスロットルである。

長万部ICを降りたのが10:30、フェリーの出航が12:30なのであと1時間で函館に着きたい。
数日前に来たばかりなのに風景が懐かしい。国道を函館目指して走る。

 順調に走っていると車がつまってきた。1台1台追い越していくと1台の観光バスが先頭のようだ。
その後ろにパトカーがいる。パトカーの後ろを走った。
反対車線をよく見て、シフトダウン「発射〜!!」と叫んだ。
その瞬間、「無理な追い越しはやめなさ〜い!!!」とパンダが大音響で負けずに叫んだ。
ゆっくり後退して振り出しに戻った。ムカムカムカ・・・苛立ちを感じた。
全然無理な追い越しとは思えない。無視して走ろうか迷ったが旅も終わりに近づいているのにつまらないことになってはこの旅が台無しである。
次は路肩からチャレンジすることにした。
パンダに気づかれぬようにゆっくり近づき、左側を走る。
まるで私のブレードと同調しているかのように、近づくにつれてパンダの運転手の左手がマイクに近づいていく。
思わず笑った。
後ろに下がると運転手の手もハンドルに戻っていく。
再び前へ行くと、やっぱりマイクに手が延びる。
どうやら本気のようである。

制限速度60kmでの巡航が続き、残り時間は減ってきた。
 観光バスが左折していなくなった。視界にはパンダが一頭いるだけで、しかも片側2車線になった。
パンダに近づくと、なんとまたマイクに手を延ばす。
ムカムカムカムカ・・・・
パンダは相変わらず制限速度ぎりぎりで走っている。追い越す=速度超過なのであろう。残り時間30分となった。パンダには函館のナンバーが付いている。函館までこの調子なのであろうと思った時にパンダは右折して行った。しかもこちらを睨み付けて・・・

ここから函館までどのように走ったかは書けません。通常の5割増し、いやいやもっと大サービスで走り、無事函館港に到着した。

 帰りのフェリーは、行きの時と違ってかなり綺麗な船だった。
来るときに出会った人を探したが結局乗っていなかったようだった。ライダーも結構乗っていたが話を出来そうな人はいなかった。

▲ 函館港

▲ かもめ

 青森到着、行きと違って帰りはもの凄く退屈だった。青森駅前に市場があり、立ち寄り家へのお土産を買い、宅配便で送ってもらう。
青森に立ち寄ることがあれば是非立ち寄って欲しいスポットである。

 青森支部に到着、風呂に入り出ると外ではBBQの準備が出来ていた。
近所の人、親戚など沢山の人がいて、ビールサーバーも用意してあった。
ビールを飲んだ。「ふ〜」内臓の毛細血管にまで染みわたる。
食え食え飲め飲め、もう食べられない。

▲ 青森支部にてBBQ

今日は花火大会のようである。花火の「ど−ん」という重低音が聞こえて、松の木の上から花火が見える。日本の夏、金鳥の夏である。

 昔は怖くて眠れなかった仏壇の前に布団が敷いてあった。今は平気なもんである。大人になったことを実感した。
荷物を整理して寝ることにした。

本日の走行距離 488km


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